今年は『黄金のブタ年』で良い年
昭和五十二年(1977年)に文京を卒業し、丁度三十年になります。昭和五十六年に家電メーカーに入社し業務用冷蔵庫等の冷蔵冷凍設備を生産・販売している部門に配属されました。平成十二年に北京で中国語の語学研修終了後、平成十四年に広東省順徳市に一年、翌年四月から中国 大連経済技術開発区の日中合弁会社に出向し日本人責任者として勤務しています。
中国国内でスーパーマーケット、コンビニにおける当社シエアはそれぞれ42%、55%とトップで非常に強い事業になってます。大理日本人に住みやすい環境中国はとてつもなく広く、地域によっても事情が違います。国の法律でも末端まで伝わるのに時間を要し、省・市・区によっても解釈は変わり究極は担当者によっても捉え方が異なります。大連は東北三省(遼寧・吉林・黒龍江)の中で一番の経済発展都市です。人口は五百七十万人。ご存知の方も多いと思いますが市内から一時間程のところに日露戦争停戦の地、旅順があり戦場となった203高地があります。現在でも日本人が立ち入れない場所が沢山あります。司馬遼太郎の『坂の上の申言の舞台になった場所でもあります。このような歴史的な背景があるからか日本語を話せる人材が多く日本企業のコールセンターも沢山あります。日本企業は日本商工会に登録されているだけでも七百社を超え実際には倍以上の企業が進出しています。日本人にとっては非常に住みやすい環境で日本人学校もあり家族帯同の駐在員も多いです。
日本の四倍のスピードで発展中国に五年半住んで感じることは発展のスピードがものすごく早いということです。日本の四倍のスピードで発展しているとも言われています。問題はその発展スピードにインフラが付いていけないことです。最新型のベンツやBMWが走る一方で馬車が荷物を引く姿も見かけます。車の登録台数は大連だけでも三百台/日以上であり道路の整備、交通マナーがついていけない。道路渋滞は慢性化し、交通事故は多発する状況です。これはひとつの例ですが、このギャップをいかに克服できるかが今後の発展のキーポイントになって<ると思います。
『黄金のプタ年』でベビブーム今年は十二支の猪年ですが中国ではブタ年と言います。それも六百年に一度回ってくる『黄金のブタ年』で大変良い年とされています。そのためベビーブームとなっており、この良い年に何とか子供を授かろうという夫婦で一杯です。病院は満室状態で通路にまでベットを置いて対応している有様で、こんな年に生む必要なしと考える人もいます。反日の問題もありますが基本的には中国の人たちは非常に友好的です。言葉が通じなくても困っていることが解ると皆、親切に対応してくれます。いろいろな問題もありますが隣国として中国は重要な国であり政治。経済・文化・教育等多くの面で友好を図るべきと考えています。この駐在をとおし、ごく小さな力ですが日中友好という大きな課題に取り組んでいきたいと思っています。(紫筍50号)
(大連三洋冷鍾有限公司、董事 副総経理)
29期G組 青木光一郎